重量配分


最善の重量配分は?


 一般的には、50:50が理想と良く耳にします。それはヨー慣性モーメントを小さくなり、比較的運動体としての優れた基本特性がすぐれていると判断しているからです。
 だから、いろいろな車が近年開発されていますが、どれも50:50に近づけるように設計したり、なるべく中心付近に例えばバッテリー1つでも、置くように努力しています。
 S2000はその良い例だと思います。

 

最善のレイアウト


 さて、50:50が最善の重量配分と書きましたが、最善のレイアウトはMR(ミッドシップ)なのです。
 メーカーがいろいろと50:50に重量配分を近づけるように努力しているのも、あくまでもMRのヨー慣性モーメントに近づける為の策なのです。
 実際にMRの重量配分は50:50でなないのですが、50:50の重量配分では出来ないエンジンの搭載位置のマジックがここにあるのです。
 F1もMRですよね。どんなに重量配分を適正にしても、MRの独特のバランスが存在してしまうのです。
 

ポルシェの重量配分


 ポルシェの重量配分は39:61が基本です。ただし、エンジンレイアウトはRR。お尻が重いのです。ただし、現在のサスペンション技術やタイヤの進化でそれを克服しています。
 

ELISEの重量配分


 ELISE Uの重量配分はポルシェと同じ39:61です。ただし、レイアウトが違いますね。この辺がヨー慣性モーメントの違いに現れる部分ですし、単純な重量配分だけでは表せない部分です。
 

まとめ


 私が言いたいのは、重量配分の適正よりも、レイアウトが大事だと言うことです。
 ブレーキの項目でも書きましたが、50:50ではブレーキ時は70:30くらいまで変化してしまいます。とことが、MRだと変化量も少なく、ある種ブレーキの時に適正な配分になり、コーナーリングを迎える訳です。
 また、ブッシュ関係やら、エンジンの搭載方法(縦置、横置)でも荷重の変化量まで変わってきますし、ボディー剛性やらサスペンション剛性、サスペンションのセッティング、タイヤ等トータルでのセッティングも非常に重要な要素なのです。

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